はじめての法人設立!税務署へ提出すべき主な書類

はじめての法人設立!税務署へ提出すべき主な書類

近年、副業や独立起業に伴い、法人を設立する個人が増加しています。法人設立は、事業活動を本格的に展開するうえでの重要な第一歩であり、信用力の向上や税務上のメリットを享受できる可能性があります。

法人を設立した後は、速やかに税務署へ所定の書類を提出する必要があります。提出が遅れると、税制上の優遇措置が受けられなくなる場合がありますので、注意が必要です。

会社設立後に提出する主な届出

  1. 法人設立届出書
  2. 青色申告の承認申請書
  3. 給与支払事務所等の開設届出書
  4. 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

① 法人設立届出書

▷ 概要

会社設立を税務署に報告するための基本的な届出です。法人が新たに誕生したことを正式に届け出るため、最初に提出する重要な書類です。

▷ 提出期限

会社設立日から2か月以内

▷ 添付書類

  • 定款の写し
  • 登記事項証明書(登記簿謄本)
  • 株主名簿(必要に応じて)
  • 代表者の印鑑証明書(必要に応じて)

② 青色申告の承認申請書

▷ 概要

法人が「青色申告」を行うためには、税務署にこの申請書を提出して承認を受ける必要があります。青色申告には以下のようなメリットがあります:

  • 欠損金(赤字)の繰越控除(最大10年間)
  • 帳簿が正しく整備されていると、税務署からの信用が高まる
  • 減価償却の特例など、各種税制上の優遇措置がある

▷ 提出期限

設立日から3か月以内
または
最初の事業年度終了日の前日まで
のいずれか早い日

▷ 注意点

期限を過ぎると、その期から青色申告が適用できなくなり、「白色申告」となります。税制上のメリットを最大限活かすためには、必ず期限内に提出する必要があります。

③ 給与支払事務所等の開設届出書

▷ 概要

役員や従業員に給与を支払う場合は、源泉所得税の納付義務が発生します。これに対応するために、給与支払事務所を設置した旨を税務署に報告する必要があります。

▷ 提出期限

給与支払いを開始した日から1か月以内

▷ 提出が必要なケース

  • 代表取締役に役員報酬を支払う場合(役員のみでも必要)
  • 社員に給与を支払う場合

▷ 補足

これを提出すると、税務署から源泉所得税の納付書が届きます。納付方法や納期特例の適用を検討する必要があります。

④源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

給与の支払い人数が常時10人未満であれば、「源泉所得税の納期の特例」の適用を受けることができます。

▷ 概要

通常は毎月納付する源泉税を、年2回(7月と翌年1月)の納付に変更できる制度です。

▷ 提出期限

随時提出可能

申請の翌々月の納付分から適用されますので、早めの提出がおすすめです。

まとめ:提出期限と役割を把握して早めの対応を

書類名 提出期限 備考
法人設立届出書 設立から2か月以内 法人設立の基本的な届出
青色申告の承認申請書 設立から3か月以内または事業年度終了前日 税制優遇を受けるために重要
給与支払事務所等の開設届出書 給与支払い開始から1か月以内 役員報酬支払い開始時にも必要
源泉税納期の特例申請書 随時 給与支給者が10人未満であれば適用可能

 

最後に

  • 税務署だけでなく、都道府県税事務所・市区町村にも提出が必要

    法人設立届出書は、国税(税務署)だけでなく、都道府県税事務所(法人事業税・法人県民税)や市区町村(法人市民税)にも提出が必要です。提出先ごとに様式や添付書類が異なる場合があるため、各自治体の要件を事前に確認しましょう。

 

  • 添付書類の不備に注意

    定款や登記事項証明書(登記簿謄本)は必須ですが、自治体によっては株主名簿や印鑑証明書が求められることもあります。提出先ごとに必要な添付書類リストを作成し、不足がないか必ず確認してください

 

  • 記載内容の正確性

    登記事項証明書や定款の内容と、届出書の記載内容に食い違いがあると受理されない場合があります。必ず原本を参照して記入してください。

 

  • 税理士の関与有無の記載

    税理士に依頼している場合は、関与税理士の氏名・事務所名を記載する欄があります。また、電子申請が一般的になりつつありますので、その場合の対応方法についてご確認ください。

 

法人設立後の各種届出は、「どこに」「いつまでに」「何を」「何部」提出するかを一覧にして管理し、各提出先の公式サイト等で最新情報を必ず確認して滞りなく手続きを行いましょう

 

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